たまごあれこれ

さまざまな料理で毎日のように食べるにも関わらず、意外と知らないことが多いのがたまごです。そこで、たまごの中でも日本人にとって身近な鶏卵についてご紹介します。
さまざまな料理で毎日のように食べるにも関わらず、意外と知らないことが多いのがたまごです。そこで、たまごの中でも日本人にとって身近な鶏卵についてご紹介します。

たまごあれこれ Part1 たまごの基礎知識

すぐれた「完全栄養食品」

鶏卵とはニワトリのたまごを指し、主に卵殻、卵白、卵黄で形成されています。栄養価が高く、人間の体内で作ることができない8種類の必須アミノ酸をバランス良く含む「完全栄養食品」と呼ばれています。特に良質な動物性タンパク質やビタミンAなどのミネラルを豊富に含み、タンパク質の摂取源として一般的な食材です。しかし、ビタミンC及び食物繊維は含まれておりません。

たまごの構造

たまごは、主に卵殻・卵白・卵黄で構成されています。これらの構造について説明します。

卵殻
主に炭酸カルシウムからなる多孔質の殻で、外部から酸素を取り込み、胚の呼吸によって生じた二酸化炭素を放出できるようになっています。卵殻の内側には卵殻膜と呼ばれる薄皮があります。

卵白
卵黄膜と卵殻膜の間にあるゾル状の物質。90%近くが水分で、残りは主にタンパク質です。リゾチームを含み、弱い抗菌作用を持ちます。

卵黄
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEや、リン、鉄、カルシウムといったミネラルが含まれています。卵黄は卵白の中に浮遊し、ひも状のカラザで卵殻のほぼ中心に固定された状態で存在します。黄色をしていることから、特に黄身(きみ)ともいいます。

鶏卵の鮮度

産み落とされてからの日数の経過に伴って鶏卵には様々な変化が生じます。そのうちの主要なものは濃厚卵白の水様化、カラザおよび卵黄膜の状態に変化します。濃厚卵白の水様化とは卵黄のまわりの卵白のこんもりとした盛り上がりが消える現象です。また、カラザおよび卵黄膜の変化によって、たまごを割り落としたときの卵黄の形が扁平なものになり、さらに卵黄が破れやすくなります。

たまごあれこれ Part1 たまごの基礎知識

ラベルの色はサイズごと

市販されているたまごは、パック詰鶏卵規格に基づき、1個あたりの重量によってランク付けがなされています。また、サイズごとに異なる色のラベルが指定されています(右記表参照)。右記のようなサイズ分けをしないでパックに詰めたものも市販されています。

サイズ
重量
LLサイズ
70g以上76g未満
Lサイズ
64g以上70g未満
Mサイズ
58g以上64g未満
MSサイズ
52g以上58g未満
Sサイズ
46g以上52g未満
SSサイズ
40g以上46g未満
生卵は新鮮なものを選んで

たまごを生で食べる際はサルモネラによる食中毒を避ける為にも出来るだけ新鮮なものを選ぶのが賢明です。特に夏季(おおむね6月から9月)は鮮度劣化が激しいため、日本の外食産業は持ち帰りの客に対して生卵の販売を自粛しているところもあります。生卵を日常的に食べる国は日本を含む一部で、日本と同様に韓国でも生卵を食べることに対する抵抗は少ないようです。欧米ではかなり異質な食文化とみられているようで、アメリカの一部の州では、法律で生卵や半熟卵を食べる事を禁じていて、やはり特異な食文化であると言えます。

価格が変動する理由

たまごの価格は「鶏卵相場」と呼ばれるものに左右される事が多いです。スーパーの店頭で売られているパック卵のうち、相場連動売価型の商品は、相場が高いと価格も高くなり、相場が安いと価格も安くなります。鶏卵相場は、各サイズ毎(SS・S・MS・M・L・LL)に存在し、消費動向などによる需要と供給のバランスの変動によって変化します。例えば、寒い時期は「お鍋」や「おでん」といったメニューが増えることによって、たまごの需要が供給を上回ると上昇します。逆に暑い時期は、たまごの供給も減りますが、たまごメニューも減って需要が供給を下回るため相場が下降する傾向にあります。季節要因だけでなく養鶏場での生産状況などによっても需要と供給のバランスが変わり、その都度、相場が変動します。

保存方法

一般的にたまごは、購入後に冷蔵庫内(10℃以下)で保管すると、「賞味期限」のあいだは『生卵』で美味しく召し上がれます。「賞味期限」の設定は、各メーカーによってまちまちですが、おおむね2週間としている事が多いようです。「賞味期限」を過ぎてしまったら、なるべく早めに充分に加熱調理をして召し上がって下さい。また「賞味期限」内であっても、「ヒビ」や「割れ」がある場合には、なるべく早めに加熱調理して召し上がることをおすすめします。